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本メディアでは、「海外医学部留学の教科書」を目指して、医学部留学の入試情報や留学のノウハウを発信しています。プロフィールはこちら。
イタリア医学部は最近、海外医学部の留学先の1つとして日本でも知られてきました。
とはいえ、イタリア医学部の情報は乏しく、「イタリア医学部入試に合格はできるのか?」「偏差値はどれくらい必要なのか?」といった疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、イタリア医学部と日本の医学部を世界大学ランキング、偏差値、難易度で比較しました。
複数の世界大学ランキングを使用して、客観的なデータをもとにした比較を心掛けましたので、海外医学部を目指されている方は必見です。
それでは早速、本題に入ります。
イタリア医学部とは?
イタリア医学部は現在、海外医学部の中で最も注目されている医学部の1つです。
特にイタリア国立医学部は、世界的に認められた大学で学べることと、学費が東欧医学部より格安であることを理由に世界中から多くの優秀な学生が集まっています。
一方の東欧医学部は、今まで学費が安く、生活コスト(物価)も安いことが魅力でしたが、ここ最近の物価高と記録的な円安の結果、魅力が激減しました。
その点、イタリア医学部は物価高の影響は受けているものの、東欧医学部の学費と比較しても非常に安く、大学によっては、東欧医学部の1年分の学費でイタリア国立医学部を卒業できるところもあります。
そのため、イタリア医学部の英語コースは、年々人気が加速しており、この数年は受験者が急増しています。特にイタリア国立医学部でこの流れは顕著で、難易度も急上昇中です。
英語コースのイタリア医学部は21大学
イタリア医学部は、すべての医学部で英語コースをコースをコースを開設しているわけではありません。
2024年現在、英語コースの医学部を開設しているのは、16の国立大学、5の私立大学です。
イタリアでは、医学部は”Medicine and Surgery“で、この他にダブルディグリーコースであるMedTech/MEDTECコースがあります。
ダブルディグリーコースでは、医学(Medicine and Surgery)と医用生体工学(Biomedical Engineering)の2つの学位を取得できますが、現在3大学のみでしか取得できません。
イタリア国立医学部の一覧
イタリア国立医学部で英語コースの医学部が開設されているのは、2024年現在、16大学です。
このうち、ダブルディグリーコース(医学と工学)があるのは、Marche Polytechnic University(マルケ工科大学)のみとなっております。
- University of Milano-Bicocca(ミラノ・ビコッカ大学)
- University of Milano Statale – IMS(ミラノ大学)
- University of Turin(トリノ大学)
- University of Pavia(パヴィア大学)
- University of Padova(パドヴァ大学)
- University of Parma(パルマ大学)
- University of Bologna(ボローニャ大学)
- Marche Polytechnic University(マルケ工科大学)
- Sapienza University of Rome(ローマ・サピエンツァ大学)
- Tor Vergata University of Rome(ローマ・トル・ヴェルガタ大学)
- University of Messina(メッシーナ大学)
- Federico II University of Naples(ナポリ・フェデリコ2世大学)
- Vanvitelli University of Campania(カンパーニャ大学 ルイジ・ヴァンヴィテッリ)
- University of Catania(カターニャ大学)
- University of Bari(バーリ大学)
- University of Cagliari(カリアリ大学)
イタリア私立医学部の一覧
イタリア国立医学部で英語コースの医学部が開設されているのは、2024年現在、5大学8コースです。
このうち、ダブルディグリーコース(医学と工学)があるのは、Humanitas University(ヒューマニタス大学)とUniversità Campus Bio-Medico di Roma(ビオメディコ大学)のみとなっております。
- Humanitas University(ヒューマニタス大学)
- MEDTEC School by Humanitas University(MEDTEC School)
- Vita-Salute San Raffaele University(ビタサルーテ・サン・ラッファエレ大学)
- Università Cattolica del Sacro Cuore in Rome(カトリック大学ローマ校)
- Università Cattolica del Sacro Cuore in Bolzano(カトリック大学ボルツァーノ校)
- Università Campus Bio-Medico di Roma(ビオメディコ大学)
- Università Campus Bio-Medico di Roma – ‘MedTech’(ビオメディコ大学MedTechコース)
- Unicamillus International Medical University(ユニカミラス大学)
イタリア医学部の世界ランキング一覧
世界的に有名なTHE世界大学ランキングとQS世界大学ランキングの2つで各医学部を比較していきます。ランキングはどちらも最新版である2024年版です。
どちらの世界大学ランキングも順位付けの条件やスコアが異なるため、順位はかなり変動します。
それぞれの世界大学ランキングの順位付けの方法は、下記記事で解説しています。
今回のランキングでは、医学・歯学分野の科目別大学ランキングを使用し、イタリア医学部のランキングは、英語コースをもつ医学部のみに限定しています。
また、日本の医学部の世界ランキングもあわせて紹介しますので、参考になさってください。
イタリア医学部のTHE世界大学ランキング2024
THE世界大学ランキング2024年版のMedicine & Dentistry(医学・歯学)の科目別ランキングで、イタリアの医学部に絞って、ランキングをまとめました。
イタリアでの順位 | 大学名 | 総合順位 |
---|---|---|
1位 | ボローニャ大学 | 101-125位 |
2位 | ミラノ大学 | 126-150位 |
3位 | ヒューマニタス大学 | 151-175位 |
3位 | ミラノ・ビコッカ大学 | 151-175位 |
3位 | パドヴァ大学 | 151-175位 |
3位 | ビタサルーテ・サン・ラッファエレ大学 | 151-175位 |
3位 | カトリック大学 | 151-175位 |
8位 | ナポリ・フェデリコ2世大学 | 201-250位 |
8位 | パヴィア大学 | 201-250位 |
8位 | ローマ・サピエンツァ大学 | 201-250位 |
11位 | ローマ・トル・ヴェルガタ大学 | 251-300位 |
11位 | トリノ大学 | 251-300位 |
13位 | バーリ大学 | 301-400位 |
13位 | カンパーニャ大学 ルイジ・ヴァンヴィテッリ | 301-400位 |
13位 | ビオメディコ大学 | 301-400位 |
13位 | カターニャ大学 | 301-400位 |
13位 | メッシーナ大学 | 301-400位 |
18位 | マルケ工科大学 | 401-500位 |
18位 | パルマ大学 | 401-500位 |
出典:World University Rankings 2024 by subject: clinical and health
イタリア医学部で世界大学ランキングが最も高いのは、ボローニャ大学(101-125位)で、英語コースのある大学のほとんどがランクインしています。
私立大学では、ミラノにキャンパスをもつヒューマニタス大学が151-175位で最高位となっています。
日本の医学部のTHE世界大学ランキング2024
THE世界大学ランキング2024年版のMedicine & Dentistry(医学・歯学)の科目別ランキングで、日本の医学部に絞って、ランキングをまとめました。
日本での順位 | 大学名 | 総合順位 |
---|---|---|
1位 | 東京大学 | 30位 |
2位 | 京都大学 | 48位 |
3位 | 大阪大学 | 80位 |
4位 | 東北大学 | 126-150位 |
5位 | 東京医科歯科大学 | 151-175位 |
6位 | 慶應大学 | 201-250位 |
6位 | 名古屋大学 | 201-250位 |
6位 | 筑波大学 | 201-250位 |
9位 | 北海道大学 | 251-300位 |
9位 | 九州大学 | 251-300位 |
11位 | 近畿大学 | 301-400位 |
11位 | 神戸大学 | 301-400位 |
13位 | 千葉大学 | 401-500位 |
13位 | 広島大学 | 401-500位 |
13位 | 順天堂大学 | 401-500位 |
13位 | 熊本大学 | 401-500位 |
13位 | 横浜市立大学 | 401-500位 |
18位 | 金沢大学 | 501-600位 |
18位 | 岡山大学 | 501-600位 |
18位 | 東京医科大学 | 501-600位 |
21位 | 愛知医科大学 | 601-800位 |
21位 | 愛媛大学 | 601-800位 |
21位 | 藤田医科大学 | 601-800位 |
21位 | 岐阜大学 | 601-800位 |
21位 | 群馬大学 | 601-800位 |
21位 | 浜松医科大学 | 601-800位 |
21位 | 東京慈恵会医科大学 | 601-800位 |
21位 | 鹿児島大学 | 601-800位 |
21位 | 関西医科大学 | 601-800位 |
21位 | 久留米大学 | 601-800位 |
21位 | 京都府立医科大学 | 601-800位 |
21位 | 三重大学 | 601-800位 |
21位 | 長崎大学 | 601-800位 |
21位 | 名古屋市立大学 | 601-800位 |
21位 | 新潟大学 | 601-800位 |
21位 | 日本医科大学 | 601-800位 |
21位 | 大阪公立大学 | 601-800位 |
21位 | 佐賀大学 | 601-800位 |
21位 | 信州大学 | 601-800位 |
21位 | 東邦大学 | 601-800位 |
21位 | 徳島大学 | 601-800位 |
21位 | 富山大学 | 601-800位 |
21位 | 和歌山医科大学 | 601-800位 |
21位 | 山口大学 | 601-800位 |
21位 | 秋田大学 | 801-1000位 |
46位 | 獨協医科大学 | 801-1000位 |
46位 | 福井大学 | 801-1000位 |
46位 | 福岡大学 | 801-1000位 |
46位 | 兵庫医科大学 | 801-1000位 |
46位 | 香川大学 | 801-1000位 |
46位 | 金沢医科大学 | 801-1000位 |
46位 | 北里大学 | 801-1000位 |
46位 | 高知大学 | 801-1000位 |
46位 | 宮崎大学 | 801-1000位 |
46位 | 大分大学 | 801-1000位 |
46位 | 大阪医科薬科大学 | 801-1000位 |
46位 | 琉球大学 | 801-1000位 |
46位 | 埼玉医科大学 | 801-1000位 |
46位 | 札幌医科大学 | 801-1000位 |
46位 | 滋賀医科大学 | 801-1000位 |
46位 | 島根大学 | 801-1000位 |
46位 | 昭和大学 | 801-1000位 |
46位 | 聖マリアンナ医科大学 | 801-1000位 |
46位 | 帝京大学 | 801-1000位 |
46位 | 東海大学 | 801-1000位 |
46位 | 鳥取大学 | 801-1000位 |
46位 | 山形大学 | 801-1000位 |
46位 | 山梨大学 | 801-1000位 |
出典:World University Rankings 2024 by subject: clinical and health
イタリア医学部のQS世界大学ランキング2024
QS世界大学ランキング2024年版のMedicine(医学)におけるイタリアの医学部の科目別ランキングをまとめました。
イタリアでの順位 | 大学名 | 総合順位 |
---|---|---|
1位 | ミラノ大学 | 80位 |
2位 | ボローニャ大学 | 87位 |
3位 | ローマ・サピエンツァ大学 | 92位 |
4位 | パドヴァ大学 | 112位 |
5位 | カトリック大学 | 179位 |
6位 | ミラノ・ビコッカ大学 | 201-250位 |
6位 | ナポリ・フェデリコ2世大学 | 201-250位 |
6位 | パヴィア大学 | 201-250位 |
9位 | ローマ・トル・ヴェルガタ大学 | 251-300位 |
9位 | トリノ大学 | 251-300位 |
9位 | ビタサルーテ・サン・ラッファエレ大学 | 251-300位 |
12位 | カターニャ大学 | 401-450位 |
12位 | メッシーナ大学 | 401-450位 |
14位 | バーリ大学 | 451-500位 |
14位 | パルマ大学 | 451-500位 |
16位 | マルケ工科大学 | 551-600位 |
17位 | カンパーニャ大学 ルイジ・ヴァンヴィテッリ | 651-700位 |
出典:QS World University Rankings by Subject 2024: Medicine
イタリア医学部で世界大学ランキングが最も高いのは、ミラノ大学(101-125位)で、次いでボローニャ大学、ローマ・サピエンツァ大学がランクインしています。
私立医学部では、ローマとボルツァーノにキャンパスをもつカトリック大学が179位で最高位となっています。
日本の医学部のQS世界大学ランキング2024
QS世界大学ランキング2024年版のMedicine(医学)における日本の医学部のランキングをまとめました。
日本での順位 | 大学名 | 総合順位 |
---|---|---|
1 | 東京大学 | 42位 |
2 | 京都大学 | 65位 |
3 | 大阪大学 | 112位 |
4 | 東京医科歯科大学 | 128位 |
5 | 慶應大学 | 165位 |
6 | 東北大学 | 167位 |
7 | 北海道大学 | 201-250位 |
7 | 九州大学 | 201-250位 |
7 | 名古屋大学 | 201-250位 |
10 | 千葉大学 | 351-400位 |
10 | 広島大学 | 351-400位 |
10 | 神戸大学 | 351-400位 |
10 | 筑波大学 | 351-400位 |
14 | 熊本大学 | 401-450位 |
14 | 長崎大学 | 401-450位 |
16 | 大阪公立大学 | 451-500位 |
17 | 藤田医科大学 | 501-550位 |
17 | 金沢大学 | 501-550位 |
17 | 岡山大学 | 501-550位 |
20 | 新潟大学 | 551-600位 |
20 | 東海大学 | 551-600位 |
20 | 徳島大学 | 551-600位 |
23 | 群馬大学 | 601-650位 |
23 | 近畿大学 | 601-650位 |
25 | 鹿児島大学 | 651-700位 |
25 | 日本大学 | 651-700位 |
出典:QS World University Rankings by Subject 2024: Medicine
イタリア医学部の偏差値とは?
イタリア医学部をはじめ、海外医学部では偏差値で難易度を測ることはできません。もしくは測る習慣がないという言い方が正しいとも言えます。
そのため、ヨーロッパの医学部の英語コースの難易度は偏差値ではなく、実質倍率や入試問題の難しさ、実体験に基づいて測ることが一般的です。
たまにイタリア医学部の偏差値を出そうとする人がいますが、イタリア医学部の合否は偏差値ではなく、入試対策ですべて決まります。
参考までに、私は高3の模試の偏差値は数学を除くすべての科目も50を切っていましたが、イタリア私立医学部3校に上位合格、イタリア国立医学部に2位で合格しています。
イタリア医学部を目指すなら、偏差値は忘れましょう。
イタリア医学部の難易度は?
日本の医学部の方が合格が難しいですが、上位合格するのはイタリア医学部の方が困難です。
日本の医学部入試は難関な問題が出題される分、大学によって傾向がはっきりとしており、対策がしやすいです。もちろん、その分勉強しなければ合格できません。
一方のイタリア医学部入試は、一部の私立大学を除いて、マークシート方式の筆記試験しかなく、戦略さえ間違えなければ、合格は難しくありません。
ただ、特に私立医学部は”傾向”と呼べるものがなく、安定して上位合格するのは非常に難しいです。
とはいえ、イタリア医学部入試は、一部の大学が実施している奨学金の取得を目指さない限り、高得点で合格する意味はないため、総じて日本の医学部入試の方が難しいと言えるでしょう。
各大学ごとの難易度は、別記事で詳しく解説します。
油断は禁物。海外医学部の中ではイタリア医学部入試は難しい。
先ほど、イタリア医学部の入試は合格するのは難しくないと書きましたが、それは条件付きです。
その条件は、「効率的な入試対策を行い、入試本番の正しい戦略を熟知している」というものです。これができなければ、合格率は下がってしまいます。
実際、イタリア医学部入試で不合格になる日本人受験生は多いです。これは定かではありませんが、IMAT(国立医学部入試)などは、日本人の合格率は50%にも満たないと思います。
IMAT(イタリア国立医学部入試)が難しい理由は、別記事で詳しく解説しています。
イタリア医学部入試は、他国の医学部英語コースより、難しい場合がほとんどです。間違ってもイタリア医学部入試を甘く見ないでください。
入試対策に自信がない方は、mirunoteチューターをご利用ください。現役のイタリア国立医学部生がオンライン家庭教師として個別授業を行います。IMATに2位で合格した医学生も在籍しています。
海外医学部を考えるなら、イタリア医学部を目指そう
本記事では、イタリア医学部の最新版の世界大学ランキングや難易度を紹介しました。
イタリアの医学部は、世界大学ランキングを比較すると、日本の大学と同等の評価を受けており、留学先として申し分ないと言えます。
また、イタリア医学部は、海外医学部の中では難易度が高いものの、入試対策と試験本番の戦略を間違えなければ、十分に合格が狙えるため、日本の医学部より合格しやすいです。
さらに、イタリア国立医学部に限定すれば、学費が他国の英語コースを開設している医学部と比較して、圧倒的に安いため、海外医学部の留学先の有力な選択肢になるでしょう。
mirunoteでは、海外医学部留学を考えている方に向けて、志望校選びから、入試対策など、医学部留学を徹底的にサポートする『海外医学部留学サポートプログラム』を開始しました。
「どの大学に進学すべきか分からない…」というお悩みの方は、本サービスを利用して、大学選びに悩む時間をすべて勉強に充てましょう。
1人で悩まず、効率重視で医学部合格を目指すのが賢いですよ!
今回は、以上です。