【経験者が解説】イタリア国立医学部に転校・編入する方法と注意すべき4つのポイント。

Ciao!イタリア国立医学部生のNobuです。
「イタリアの国立医学部への転校方法が知りたい…」
「自分がイタリア国立医学部に転校できるか不安…」
上記のお悩みを解決するため、イタリア国立医学部に転校した現役医学生が、イタリア国立医学部への転校方法と注意点をまとめました。
本記事の信頼性

この記事を書いている私は、東欧医学部からイタリア国立医学部に転校しました。その実体験をもとにこれまで転校・編入を希望する医学生の相談に乗ってきました。
転校・編入(transfer)ときくと、あまりなじみがないかもしれませんが、ヨーロッパの医学部では珍しくありません。
実際、イタリア国立医学部は質の高い教育と学費の安さが相まって、転校・編入を考える学生が多くいます。
ただ、イタリア国立医学部への転校・編入は、普通に入学する場合より複雑で、慎重に進めなければ、入学できない可能性があります。
本記事を読むメリット
- イタリア国立医学部に転校・編入する方法を知れる
- 転校できるイタリア国立医学部の一覧がわかる
- 転校・編入時に注意すべきポイントを把握できる
- 2種類あるイタリア医学部への転校方法を知れる
- 転校・編入にオススメの医学部がわかる
本記事では、転校のやり方や転校できる大学のリストだけでなく、実際に転校して分かった転校・編入時の注意点なども解説しています。
転校・編入に関する実体験をもとにした記事は、大変少ないので、ぜひ本記事をお役立てください。
イタリア国立医学部に転校・編入ではなく、普通に入学したい場合は、こちらの記事で大まかな流れを紹介しています。
それでは、さっそく本編に入ります。
イタリア国立医学部に転校・編入する理由

イタリア医学部への転校・編入を目指す理由は人それぞれ異なりますが、転校する理由は次の4つが多いです。
イタリア国立医学部に転校する理由
- 学費が安い(奨学金や学費減額制度あり)
- EUの医師免許を取得できる
- 大学の環境がより充実している
- イタリアが好き、住んでみたい
イタリア国立医学部への編入を考えている医学生は多く、上記4つの理由近年では競争率が高くなっています。
昨今の物価高により、東欧医学部への留学が魅力的とは言えなくなっている現状で、イタリア国立医学部の学費は圧倒的に安いのは大きなメリットでしょう。
ご家庭の年収や国籍などによって学費は変わりますが、年間10〜50万前後の大学が多いです。奨学金も充実しており、まさに留学するならうってつけの国と言っても過言ではありません。
また、イタリアはEU加盟国なため、EU加盟国で働ける医師免許を卒業時に取得できることもEU圏以外の学生にとっては魅力的かもしれません。
他にも、日本人に人気の東欧の医学部より、イタリアの方が高い医療レベルを有しているため、学生のレベルも高く、医学を学ぶ環境としても最適でしょう。
転校・編入(transfer)ではなく、イタリア医学部に入学したい方はこちらの記事をお読みください。https://note.com/embed/notes/ned37a6d7d933
イタリア国立医学部への転校は珍しくない

データとして大学が公式に発表しているわけではないので証明するのは難しいですが、イタリアの国立医学部への転校・編入(transfer)は珍しくありません。
EUの医学部に通っている場合は、多くの大学で転校前の大学で取得した単位を引き継ぐことが可能です。そのため、とりあえず東欧の医学部に通って、イタリア国立医学部を目指す人も数多く存在します。
実際、私も転校したうちの1人ですし、日本人(Non-EUの学生)だからできないということもありません。
より知名度の高い大学を目指して仮面浪人する医学生は国籍を問わず、非常に多いです。希望する大学があるのなら、転校・編入をするのは非常にオススメです。
今の大学に不満がある、より良い環境で勉強してみたい、ということであれば、迷わず転校・編入しましょう。
ここからは具体的に転校・編入する際の注意点をお話しします。
転校するのに最適な学年とは?

イタリア国立医学部の場合、転校・編入するなら、2年生か3年生をオススメします。
イタリア国立医学部の多くの大学で、3〜4年次から病院での臨床実習が始まります。臨床実習では、現地の患者さんとやり取りするため、イタリア語 B1-B2レベルの資格(もしくはそれと同等の理解力)を臨床実習の開始前に求める大学が多いです。
ちなみにB1-B2レベルというのは、簡単な日常会話ができ、内容を理解できるレベルです。4年生または5年生になってイタリアの国立医学部に入学すると、イタリア語でかなり苦労しますし、最悪の場合1年間ダブってしまう可能性もあります。
ですから、高学年になってから転校する場合は、編入のための試験勉強だけでなく、イタリア語をマスターする必要があり、あまり現実的な選択とは言えません。
転校を考えるなら、早めに行動しましょう。
転校・編入に必要な条件

大学によって求められる条件がかなり異なりますので、必ず大学HPや学生課にメールで確認してください。
大学によっては、英語で医学を履修していないとそもそも出願できない大学があったり、取得している科目や単位数に指定がある場合もあります。
イタリア国立医学部は大学によってカリキュラムの組み方が大きく異なるため、転校しやすい大学とそうでない大学が存在します。
必ず、出願を希望する医学部の募集要項とカリキュラムを確認して、自分が出願・合格できるか確認しましょう。
「よく分からない」「自分では判断できない」という場合は、mirunoteオンラインチューターまでご相談ください。
編入経験のある現役のイタリア国立医学部生が編入や転校をサポートします。枠に限りがありますので、お早めにご相談ください。
人それぞれ置かれている状況や持っている単位が違うため、一概には言えませんが、すべてのイタリア国立医学部に転校することは難しいということを知っておいてください。
転校する際に気をつけるべき4つのポイント

転校・編入する際には、普通に入学するときよりも細心の注意を払う必要があります。気をつけるべき点は大きく下記の4つです。
転校する際の4つの注意点
- 自分の大学と転校する大学のカリキュラムやシラバスの互換性がなければ難しい
- すべての単位が認められるわけではない
- 大学独自の条件を満たした単位しか認められない場合がある
- 大学・学年によっては、イタリア語の資格が必須
自分が転校・編入をいくら希望したところで、編入先の大学のカリキュラム・シラバスや単位の認定によっては、1年次から入学せざるを得ない場合もあります。
上記の注意事項は必ず確認するようにしましょう。
それでは1つずつ詳しく解説していきます。
1.自分の大学と転校する大学のカリキュラムやシラバスの互換性がなければ難しい
大学のカリキュラムやシラバスに互換性がない場合は、転校・編入しても学年をダブってしまう場合があります。
本来、転校・編入のメリットは、すでに履修した科目を再び学び直すことなく、その分の期間を短縮して、卒業できるところです。これが失われなれると、転校・編入するメリットが薄れてしまいます。
転校先の大学を検討する際は、自分が在籍している(もしくは在籍していた)大学のカリキュラムやシラバスに近いところを目指すのが無難と言えます。
とはいえ、EU圏内の大学であれば、イタリア医学部と互換性の高いカリキュラムを組んでいるところが多いので、過剰に心配になる必要はないでしょう(ただし、大学によります)。
2.すべての単位が認められるわけではない
これは前述の話に関係しますが、カリキュラムやシラバスが大学ごとに異なるため、転校先の大学がすべての単位を認めてくれるとは限りません。
実体験として、私がもっていたすべての単位が認められたわけではありません。科目によっては、一部だけ認められたり、そもそも全く認められなかった単位もあります。
転校・編入したとしても、このようなリスクが伴うことを忘れないでください。
3.大学独自の条件を満たした単位しか認められない場合がある
これは大学ごとに規定が違うため、希望する大学がある場合は、必ず大学HPを自分で確認するようにしてください。
名門大学であるミラノ大学やボローニャ大学などでは、転校・編入の条件として、「英語で教えられている医学部に在籍していること」を挙げています。
つまり、英語で医学部に在籍していた学生のみが編入試験を受験できるということです。例えば、日本語やチェコ語の医学部に通っていた場合は、それらの単位は認められず、出願できません。
試験直前になって大学独自の規定を知り、転校を諦めた医学生を知っているので、彼の二の舞にならないよう、転校・編入を決意した時点で調べておきましょう。
4.大学・学年によっては、イタリア語の資格が必須
イタリア国立医学部の多くの大学で、3〜4年次から病院での臨床実習が始まります。
臨床実習では、現地の患者さんとやり取りするため、イタリア語 B1-B2レベルの資格(もしくはそれと同等の理解力)を臨床実習の開始前に求める大学が多いです。
そのため、臨床実習をおこなっている学年に転校・編入する場合は、まずイタリア語の資格を獲得しましょう。
このような準備があるからこそ、転校・編入する場合は、1〜2年ほど準備するのが一般的です。
ただ臨床実習が始まる前の低学年であれば、イタリア語を大学で学べるチャンスがありますので、早い段階での転校・編入がオススメです。
転校には「王道」と「裏ワザ」の2つがある

あまり知られていませんが、イタリア国立医学部への転校方法は実は2種類あります。
どちらも大学公認のやり方なのですが、それぞれメリット・デメリットがあり、状況によってどちらを選ぶべきかが変わってきます。
次で紹介する内容を踏まえて、イタリア国立医学部に通う方法としてどうするのがベストなのかをよく考えてみてください。
王道の転校方法とメリット・デメリット

王道の転校方法というのは、いわゆる編入試験であり、編入試験に合格し、該当する学年に入学する方法です。
編入試験は書類審査と口述試験でおこなわれることがほとんどで、例年5月ごろに募集を発表します。
一般入試と違って、理科3科目などの入試科目を再び勉強する必要がないのは大きなメリットですが、転校する大学と自分が在籍している大学にカリキュラムに互換性がないと、転校は難しくなります。
また、イタリア国立医学部での編入生向けの募集は、欠員が出た場合に限るという点にも注意が必要です。
年度や大学によっては全く募集していない場合がありますし、希望する学年の募集がない場合もあります。
たとえ募集していたとしても、定員は1〜3名のことが多く、かなりハイレベルな競争となるでしょう。
1年次の場合は、単位数の関係で転校できる場合とできない場合があるので、各大学の募集要項を熟読する必要があります。
ともかく、この王道ルートで編入する場合は、大学の募集要項とカリキュラムから転校できるかを判断したうえで、出願してください。
王道の転校方法のメリット
- 入学試験を受ける必要がない。
- その学年に確実に編入できる (後述の「裏技」ではできない場合がある)
王道の転校方法のデメリット
- 欠員補充のため、募集人数は少なく、年や大学によっては募集がない場合もある。
- 編入試験では、書類審査だけでなく、口述試験(単位を取得した科目などが問われる)などの追加の試験を課される場合がある。
- 1年次に在籍している場合は、受験できないことがほとんどである。
裏ワザの転校方法とメリット・デメリット

裏ワザと言っても不正をするわけではありません。裏ワザの転校方法とは、大学の入学試験を受験し、合格後に単位の認定をしてもらう方法です。
この方法はヨーロッパの医学部ではかなり一般的、というよりこのやり方で転校する人がほとんどです。
手順としては、一般の受験生と同様に入試を受け、まずは1年次の学生として入学します。入学時、すでに取得した大学の単位と各科目のしたバスを渡し、単位の認定をおこない、認定後に各学年に移動するという形を取ります。
この方法の良いところは、大きく2つあります。1つ目は入学できる定員数に制限がないこと、2つ目は入学試験の方が対策がしやすいことがあげられます。
入学できる定員数に関しては、厳密に言えば、大学ごとに各学年み入学できる枠に制限があるのですが、よほど多くの編入希望者がいない限り、希望どおりの学年に編入できることがほとんどです。
ただし、自分が既に持っている単位が必ずしも入学後の大学で認められるとは限りません。
正規ルートで転校する場合は、入学前にカリキュラムの互換性と単位の互換性のチェックがありますので、スムーズに編入できますが、裏ワザルートの場合はすべて入学後に判断されることとなります。
そのため、大学の判断によっては、自分が取得した科目が認められなかったり、大学が規定する年度よりも前に取得した単位の場合は、医学部の単位として認められず、希望する学年に編入できない場合があります。
この辺の話は、現在どこの大学に通っていて、何の科目の単位を持っていて、どこの大学に編入したいかによって全く違う対応が必要なので、本記事では割愛します。
詳しく知りたい方は、オンラインチューターまでご相談ください。
2つ目のメリットですが、編入試験はイタリア国立医学部の場合、口述試験で行われる場合がほとんどで受験者が少ないため、試験対策が難しいと言えます。
対して、入学試験であれば、過去問をはじめ合格に必要な情報が出揃っているため、すでに医学分野をはじめ、理科3科目を履修していれば、入試対策をきちんとおこなうことで、十分に合格できるでしょう。
裏技ルートのメリット
- 正規ルートのように募集がないことはなく、入試に合格さえすれば、編入できる
- 入学試験は筆記試験のみで、過去問をはじめ入試対策できる教材(mirunoteなど)が揃っている
- 1年次に在籍している場合でもこの方法なら、編入できる
王道の転校方法のデメリット
- 必ずしも全ての単位が認められるわけではなく、希望の学年に入学できることが保証されているわけでもない
- 入学試験に向けて、別途試験科目を学び直さなくてはならない
転校・編入できるイタリア国立医学部一覧

王道ルート・裏ワザルートで転校できる大学をまとめました。すべて医学部英語コースが開設されていますが、最近開設したところも多いため、学年によっては転校できない大学もあります。
必ずご自身で大学のHP等にてご確認ください。
- University of Milano-Bicocca (ベルガモ)
- University of Milano Statale - IMS (ミラノ)
- University of Turin (トリノ)
- University of Pavia (パビア)
- University of Padua (パドバ)
- University of Parma (ピアチェンツァ)
- University of Bologna (ボローニャ)
- Marche Polytechnic University (アンコーナ)
- Sapienza University of Rome (ローマ)
- Tor Vergata University of Rome (ローマ)
- University of Messina (メッシーナ)
- Federico II University of Naples (ナポリ)
- Vanvitelli University of Campania (ナポリ)
- University of Catania (カターニア)
- University of Bari (バーリ)
転校・編入にオススメの医学部とは?

すでにここまで読み進めた方ならお分かりかと思いますが、現在在籍している大学のカリキュラムやシラバスと似ている大学です。
そういう大学を選べば、1年次からやり直すことなく、転校・編入しても6〜7年で卒業できるはずです。
まずは、各大学のカリキュラムやシラバスを見比べて、自分の今いる大学とどれほどの互換性があるのかを確認する作業から始めましょう。
転校・編入を決めたら、さっそく行動しよう

転校・編入するためには、試験に合格する前に書類を集めたり、自分が現在在籍している医学部にいる間に取得しておくべき単位を取ったり、語学の勉強をしたりとやることは目白押しです。
そのため、転校・編入する場合は抜かりなく準備をできるかが合否の分かれ目となります。試験対策を含め、王道ルートで転校する場合も裏ワザで転校する場合も最低でも半年〜1年間の準備が必要でしょう。
とはいっても、「何をどうしたらいいか分からない」「そもそもどうするべきか分からない」という場合は、mirunoteオンラインチューターサービスをご利用ください。
困ったときは私たち、イタリア国立医学部生にご相談ください。私たちは留学エージェントではないので、希望をお聞きしたうえで、希望に沿うよう、先輩の医学生としてサポートします。
現役医学生がチューターをしているため、相談できる枠に限りがございます。ご希望の方はお早めにご相談ください。


