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奨学金の申請に必要なISEEの申請方法と3つの注意点【イタリア留学】

奨学金の申請に必要なISEEの申請方法と3つの注意点【イタリア留学】

Ciao! イタリア国立医学部生のNobuです。

本記事でわかること

  • ISEEとは?メリットとデメリット
  • ISEEの申請手順と具体的な手順(アポスティーユや翻訳等のやり方)
  • ISEEの申請に必要な書類と申請時の3つの注意点

「イタリア医学部の留学費用をなるべく減らしたい…」ということは、誰しも考えたことがあるでしょう。

イタリア医学部に留学する際の奨学金を日本で借りることもできますが、ほとんどが貸与型であり、借りられる額も限定的なことがほとんどです。

一方で、イタリアの各大学・各地域によって用意されている奨学金などは、ほとんどが給付型であり、世帯の経済状況によって、大学の学費が最大で年額156−157ユーロに減額される場合もあります。

とはいえ、大学の学費減額の方法や奨学金の申請方法に関する情報は少なく、何をどうしていいか悩んでいる方もいるでしょう。

そこで本記事では、イタリア医学部の学費減額や地域奨学金等の申請に必要なISEEの取得方法に焦点をあて、必要書類や申請手続きの注意点をまとめました。

私がイタリア医学部を受験する際に躓いてしまったポイントも解説しているので、日本に在住していて、これからイタリア医学部に入学(受験)予定の方には特に参考になるかと思います。

特にIMATの受験を考えている方は、これらの手続きを受験前の夏ごろ(※ 締切期限は大学により異なる)までに行わないと、地域奨学金や学生寮などの申請ができなくなる場合があります。

地域奨学金等の利用を考えている場合は、ISEEの取得申請と同時並行で、奨学金等を取得する際に必要な書類の準備を始めておきましょう。

※ 本記事の内容は2024年10月現在の情報と、実体験をもとに書かれています。各大学・地域ごとによって異なり、用意する書類はそれぞれの状況により詳細な規定があるため、本記事の情報はあくまでも参考とし、志望する(進学する)大学のHP等をご自身の責任のもとご確認うえ、手続きしてください。

ISEEとは?

ISEEとは、Indicatore della Situazione Economica Equivalente(同等の経済状況指標)の略で、収入、資産(動産および不動産を含む)、世帯の特徴(数と種類)を評価することで、経済状況を測定できるツールです。

大学の学費減額のほか、地域奨学金などに応募するために必要となります。
ISEEには下記の2種類がありますが、日本からイタリア医学部に入学する場合は、Equivalent ISEE (ISEE parificato) の値だけを気にしておけば、OKです。

  1. Equivalent ISEE (ISEE parificato):学生の居住地がイタリア国外にある場合、または学生の居住地がイタリアにあるが学生を扶養している家族が海外に住んでいる場合
  2. ISEE University value (ISEE-U):学生の居住地がイタリアにあり、その収入(およびその世帯の収入)がイタリアからのものである場合

ISEEはすぐに取得できるものではなく、日本から取得する場合は特に必要書類や手順が複雑であったりするため、本記事や各大学のHPや各種案内、各地域の奨学金のHPやパンフレット等を確認して、締切日に間に合うよう、余裕をもって締切の数ヶ月前から行動するのがオススメです。

ISEEを取得するメリットとデメリット

ISEEを取得し、ISEEの値が条件を満たしていれば、大学の学費減額を利用できるだけでなく、地域奨学金などに応募することが可能です(地域奨学金の応募などには、ISPEも必要な場合あり)。

ISEEの取得のメリット

  1. 学費の減額措置のほか、地域奨学金などに応募できる
  2. ISEEを利用した奨学金の多くが給付型であり、返済義務がない
  3. 条件を満たせば、日本人でも地域奨学金の申請などができる

ISEEの取得のデメリット

  1. すべての受験生が対象ではない(世帯年収によっては応募できない)
  2. 医学部の受験前から書類を準備しなければならない場合がある
  3. 必要書類が多く、すべてを揃えるのに1ヶ月以上かかることもある
  4. 書類の発行や翻訳などによって、費用が嵩む場合がある

ISEEは毎年、取得しなければなりません。また、ISEEを取得しなくとも、イタリア医学部には進学できます。メリット・デメリットを考慮して、必要な場合にのみ、取得するという感じでよいかと思います。

ISEEによる学費減額と地域奨学金は別制度

イタリアの大学にはさまざま特典がありますが、大学による学費減額と地域奨学金は別の制度です。

学費減額措置はISEEにより決まり、地域奨学金などはISEEとISPEによる決まることが多いです。

そのため、申請書類や締切期限が異なることが多いです。例えば、ボローニャ大学の場合、地域奨学金との申請は8月末ですが、ISEEによる学費減額の申請は10月(遅延料を払えば〜11月)までとなっています。

このうち、ISEEの学費減額だけ申し込むということも可能です。どちらにせよ、ISEEの取得は必須です。

ISEEによって学費が減額されない医学部がある

続きは有料です

イタリア医学部英語コースの場合、ISEEが学費の減額に利用できる医学部と、利用できない医学部があるため、事前に志望する大学の情報を念入りに調べてください。

特にNon-EU枠で受験する場合には注意が必要で、突然ルールが変更になる場合もあります。

例えば、パドヴァ大学(University of Padova)の場合、Non-EU枠ではISEEの値によらず、すべての学生が固定の学費(EU枠の最大額)を支払う必要があり、ISEEによる学費の減額があるのはEU枠の学生に限られます。

すなわち、Non-EU枠で受験した日本人学生の学費は経済状況によらず、全員同額です。

ちなみに、Non-EU枠の学費が固定されているパドヴァ大学の場合でも、”poor country” に指定されている、いわゆる発展途上国の国からの学生の場合は、Non-EU枠でも学費は安くなります。

また、学費の減額制度を利用できる医学部には、例えばボローニャ大学があり、Non-EU枠の学生の場合も対象になります。学費がどれだけ減額されるのかは、下記にて確認できます。

各大学ごとにシミュレーターが用意されているかと思いますので、進学を希望する大学の学費減額がいくらなのかを事前に把握してから、ISEEの申請をすべきかを決めるのがオススメです。

地域奨学金の対象者とは?

イタリアには多数の奨学金があり、地域奨学金もその1つです。

イタリア政府奨学金や大学の学費減額措置、大学独自の奨学金とは異なり、大学の所在する地域が申請者の経済状況(ISEEやISPEの値)に応じて、独自の奨学金を出しています。

地域によって、奨学金の受給対象者や受給額・サービスなどに差があり、申請する手順等も異なるため、志望する大学と提携している地域奨学金のHP等で必ず確認してください。

ちなみに、ISEEとISPEの違いはざっくりまとめると、次のとおりです。

  • ISEE(Indicatore della Sizuatione Economica Equivalente):世帯全員の総収入などから算出される経済状況を表す指標のこと
  • ISPE(Indicatore della Sizuatione Patrimoniale Equivalente):世帯全員の不動産や口座預金残高などの資産から算出される資産状況をを表す指標のこと

どちらも似たような指標ですが、それぞれの値を算出する式は異なります。
大学・地域にも異なりますが、ISEEが25,000未満、ISPEが50,000未満でなければ、奨学金などの申請ができないことがほとんどです。

下記の計算式を参考に、事前に値が満たすかを確認してください。


ISEEの計算式:ISSE = ISE / 等価尺度パラメータ
ISPEの計算式:ISPE = ISP / 等価尺度パラメータ


  • 経済状況指標 (ISE):所得状況指標(ISR)に家計の資産状況指標(ISP)の20%を加算して得られる:ISE = ISR + ISP × 0.2
  • 所得状況指標 (ISR):金融資産からの帰属所得を含む総所得から控除と手当を差し引いたものである:ISR=(総所得+金融資産からの帰属所得)- (控除および手当)
  • 資産状況指標(ISP):不動産と動産資産の合計から、それぞれの控除と手当を差し引いたものである:ISP=(不動産資産合計-控除額および控除対象額)+(動産資産合計-控除額および控除対象額)

等価尺度パラメータ:世帯に適用され、世帯員の数と計算を有利にする追加料金との関係で適用される

基本ルール

  • 生計を同一にする家族の人数が1人:1
  • 生計を同一にする家族の人数が2人:1.57
  • 生計を同一にする家族の人数が3人:2.04
  • 生計を同一にする家族の人数が4人:2.45
  • 生計を同一にする家族の人数が5人:2.85
  • 生計を同一にする家族の人数が6人目以降:0.35ずつが加算される

特例の加算条件

  • 子どもが3人の世帯の場合は0.2、4人の場合は0.35、5人以上の場合は0.5
  • 両親または一人親が申告所得の基準年に少なくとも6ヶ月間、雇用または事業活動に従事している場合(または働いていない片親と未成年の子供のみで構成される世帯の場合)、未成年の子どもがいる世帯の場合は0.2、3歳未満の子どもが少なくとも1人いる場合は0.3に引き上げる(※ 2013年12月5日付大統領令第159号および2013年12月5日付D.P.C.M.第159号の第7条第1項a)からe)に言及されるケースのいずれかが適用されない限り、もう一方の親と結婚しておらず、子供を認知している同居していない親も世帯の一部とみなされるものとする)
  • 平均的、重度または非自立的な障害を持つメンバー1人につき0.5
  • 世帯の構成員の中に、居住環境において継続的なサイクルでサービスが提供されている構成員、または1989年大統領令第223号に基づく登録パートナーシップの構成員がおり、第3条第6項により別世帯とみなされない場合は1

先ほども少し触れたとおり、日本人でも条件を満たせば、誰でも応募できますが、世帯年収が高い場合は学費に減額措置や地域奨学金の申請はできません。

ISEEやISPEが条件を満たしていても値が大きい場合(日本人の場合は平均年収が高いので、値が大きくなる)は、ほとんど減額されない・奨学金をもらえない場合もあるので、時間とお金をかけてまで、ISEEを取得する必要がないこともあります。

ISEEの取得も学費の減額措置の利用や地域奨学金の申請は任意なため、1年目は入試に集中するため取得せず、イタリア生活に慣れた2年目以降に取得を考えるというのも1つの手かと思います。

世帯年収ではなく、自分の年収でISEEを計算する方法

ISEEは主に世帯年収によって減額される額が異なり、世帯年収が高い場合は利用できない場合があります。

世帯年収が高いけれど、親に頼らずに自分で留学費用を支払いたい場合などあるかもしれません。

実は、ISEEによる学費の減額を世帯年収が高くても個人の年収が低ければ、利用する方法があります。ほとんどの受験生・留学生が、イタリア以外に居住しているかと思いますので、イタリア以外に居住している場合に関しての条件を紹介します。

世帯年収ではなく、自分の年収でISEE を計算したい場合、次の2つの条件をともに満たす必要があります。

下記の条件を満たさない場合は、世帯の収入や資産をもとにISEEが計算され、結婚している場合は、配偶者の収入も申請者の収入に加算されることに注意してください。

給付金の申請の提出日から遡って少なくとも2年間、家族と住民票の住所が別であること

例:2025年8月10日に申請する場合、少なくとも2023年8月10日から住民票が家族とは別である必要があります。これを証明するためには、住民票や戸籍謄本などの書類とあわせて、2年間居住していた建物に関する適切な書類(例えば、対象の2年間をカバーする賃貸契約書、不動産購入契約書、ローン契約書など)を提出しなければなりません。加えて、両親の所有する住居に住んでいないことを証明するため、両親の個人情報の提供が必要です。

  申請前の2年間において、就労による収入(給与所得など)が少なくとも年間9,000ユーロ(総支給額)以上あることを、就労した国で証明すること。 ただし、就労収入以外の収入(例えば年金、家賃など)は、考慮されない。

例:2025年に申請する場合、2024年に少なくとも9000ユーロ以上、2023年に少なくとも9000ユーロ以上の給与所得が必要です。これを証明するには、過去2年分の所得を所轄の公的機関に提出する確定申告書、または源泉徴収票などの雇用主からの書類を提出しなければなりません。

ISEE parificato の申請手順

申請する地域や大学によって手順が異なりますが、大まかには大学に申請手続きの登録をおこない、ISEEの給付金を申請するを期限内におこなうことになります。

ボローニャ大学の場合は、次の手順で申請します。学費の減額制度のみ利用する場合は、9月〜10月に手続きしても間に合いますが、地域奨学金や学生寮の申し込みは8月末で終了しています。
奨学金等の申請を考えている場合は、例年、募集要項が7月の前半ごろに発表されるため、なるべく早く確認して、奨学金等の締切までに書類を用意するようにしましょう。

  1. ER.GOオンラインサービス(地域奨学金のサイト)にログインし、2024年10月30日18:00までに「Dati personali ed economici」セクションに記入します。2024年10月30日18:01から11月15日18:00まで、遅れて記載することも可能ですが、100ユーロの延滞料を支払わなければなりません。
  2. 後述する必要書類をすべて準備する(イタリア語翻訳とアポスティーユが必要)
  3. 「通信/ドキュメントの送信」のUser dossierにログインして、2024年11月20日までに必要書類をER.GOに送信する。必要書類はER.GOによって検証およびチェックされます。不備があったり、不足がある場合はISEEを取得できません。

必要書類・申請手順は大学ごとに全く違います。

例えば、ボローニャ大学の場合、ISEEの取得に必要な書類の基準年は、申請年の前年度です。一方、パドヴァ大学の場合、ISEEの取得に必要な書類の基準年は、申請年の前々年度です。

2025年に提出する場合は、ボローニャ大学では2024年の総収入の証明書が必要ですが、パドヴァ大学では2023年の総収入の証明書が必要なわけですから、ISEEの値も大きく変動するかもしれません。

必ず、ご自身で申請手順と必要書類を確認してください。

ISEEを申請するのに必要な書類の一覧

すべての書類は提出する年に発行されたものでなければならず、アポスティーユを付けたうえで、イタリア語に翻訳し、日本にいるイタリア語翻訳者に依頼する場合はイタリア大使館または領事館において、翻訳証明を取得する必要があります。

2年目以降に同じようにISEEを申請する場合は、用意する書類が全く同じでも新たに書類を取り直す必要がある点に注意してください。

それぞれの状況によって異なりますが、今回は多くの受験生に該当するイタリア医学部(例としてボローニャ大学)に1年生として入学(編入/転校ではない)する予定で、家族も本人も日本に居住しており、日本以外に資産をもっていない場合を想定します。

他の大学の場合、または上記にすべて該当している場合でも翌年以降はどうなるか不明なため、必ずご自身で大学のHPや地域奨学金のHP等を検索し、必要書類・出願期限を確認してください。

必要書類(ボローニャ大学の場合)

  • 家族構成を示す書類(→ 戸籍謄本や住民票など)
  • 生計を同一にする家族の申請年の前年度の総収入と勤務期間、各個人が所有する資産を証明する書類(→ 銀行や証券会社が作成した残高証明書、不動産の場合は固定資産評価証明書など)
  • 申請書を提出する前年の12月31日時点で所有されている不動産(居住地およびその他の建物)の証明書(床面積の平方メートルの表示が必要)。申請書を提出する前年の12月31日時点で不動産を所有していなくても、生計を同一にする18歳以上の家族それぞれが不動産の所有の有無を記載した書類を提出する必要あり。(→家を保有している場合は、登記事項全部証明書など。賃貸の場合は、現在まで有効な賃貸契約書など)
  • 家および/または他の不動産の申請年の前年度末の残りの住宅ローン額(→ 住宅ローンの年末残高証明書など)
  • (もしあれば、障害をもつことを示す書類)

必要書類を日本のどの書類で代用するかはケースバイケースですが、不明点があれば、大学もしくはCAF(税務支援サービス)、ER.GO(ボローニャ大学の場合)などに問い合わせてみることをオススメします。

ちなみに、各書類には細かな規定が存在します(以下、一例)。


生計を同一にする家族についての書類

両親について

  1. 両親がともに健在の場合:両方の親の戸籍謄本が必要
  2. 両親がともに亡くなっている場合:それぞれの両親の死亡証明書の提出が必要。また、受給申請書を提出する日に生計を同一にする家族(実家に住む兄弟姉妹、配偶者など)の経済状況も記録する必要あり
  3. 片親のみの場合:
    別居または離婚した場合:手続き中であっても裁判所の書類の提出が必要。
    亡くなっている場合:死亡証明書の提出が必要
    所在が不明の場合:所在不明の証明書の提示が必要
    父親が行方不明の場合;出生証明書の提出が必要
    後見人がいる場合;後見人の選任証明書が必要

兄弟姉妹について

  1. 18歳以上の兄弟姉妹がいる場合;結婚している場合は結婚証明書、未婚の場合は住民票が必要だが、学生の場合は学生であることを証明すればよい
  2. 18歳以上の兄弟姉妹がいない場合;特になし

その他の構成員(祖父母、叔父、義父母など)


戸籍に記載されていれば、OK

18歳以上の生計を同一にする家族の昨年の収入と昨年の12月31日現在の資産を公的に証明する書類

これらの書類はすべて日本円(現地通貨)で記載されている必要があります(後ほど、当該年の平均為替レートに基づいてユーロに換算する必要あり)。

また、これらの収入を証明する書類が、銀行の取引証明書はもちろんのこと、公証人による証明は認められていません。

所得者の場合

  1. → 退職している場合;所轄官庁が発行した退職者であることを証明する書類の提出が必要。また、申請書を提出する前年の年金収入額(税込)が記載された所轄税務署が発行する書類が必要。
  2. → 労働者の場合:雇用形態を示す書類が必要。また、申請書を提出する前年の給与所得(税金を含む)を記載した書類*が必要
  3. → 勤労学生の場合:大学またはその他の教育機関への在学証明書に加え、収入を証明する書類*が必要。
    :収入を証明する書類は4種類あり、いずれかの提出が必要。
    ・所轄の税務署が発行した証明書
    ・雇用主が発行する前年度の給与(税込)を記載した証明書
    ・昨年度の12月の給与明細書(暦年全体の所得が記載されたもの)
    ・昨年度の12月の給与明細書に合計所得金額が記載されていない場合は、昨年度のすべての月の給与明細

非所得者の場合

  1. 学生の場合:大学またはその他の教育機関への在学証明書が必要
  2. 無職の場合:管轄官庁が発行した、失業中であること、および昨年度に受給した失業手当の金額が記載された証明書が必要。また、昨年度に数ヶ月でも働いていた場合は、実際の勤務で受け取った総収入の証明書が必要となります。

世帯内の18歳以上の動産・不動産を公的に証明する書類

動的資産に関して

申請書を提出する前年の12月31日時点で、18歳以上の生計を同一にする家族それぞれの動的資産(当座預金や金融商品など)を文章化した書類が必要。

不動産に関して

【不動産がある場合】

申請書を提出する前年の12月31日時点で、18歳以上の生計を同一にする家族それぞれが所有するすべての建物について、所轄官庁が発行した証明書の提出が必要。また、ローンを設定している場合は、申請書を提出する前年の12月31日時点における未返済のローン額を明記すること。

【不動産がない場合】

申請書を提出する前年の12月31日時点で、18歳以上の生計を同一にする家族それぞれが所有する建物がないことを証明する、所轄官庁が発行した非不動産所有証明書の提出が必要。
家族が所有する動産を証明するためには、銀行・金融機関が発行した、口座明細書、有価証券、配当、株式参加、所有企業の株式の割合を示す書類を提出する必要があります。

詳しくは、ISEEのガイドを参照してください。


2年目以降に同じようにISEEを申請する場合は、用意する書類が全く同じでも新たに書類を取り直す必要がある点に注意してください。

アポスティーユとイタリア語翻訳について

すべての必要書類はアポスティーユをつけ、イタリア語に翻訳されていなければなりませんが、日本で翻訳を依頼する場合は、イタリア語の公的な翻訳者がいないため、在日イタリア大使館、あるいは在大阪イタリア領事館で翻訳認証を受ける必要があります。

必要書類を得てから、アポスティーユと翻訳を行う手順は、次のとおりです。

  1. 書類にアポスティーユを付ける
  2. 書類をイタリア語に翻訳する
  3. 翻訳証明を取る

それぞれの手順を具体的に解説します。

1. 書類にアポスティーユを付ける

アポスティーユを付ける際には、公文書(国や市区町村などが発行した書類)と私文書(公文書以外の文書の場合で手順が異なります。

公文書の場合

書類の原本にアポスティーユを貼付するよう、日本の外務省に依頼します。外務省に依頼する際は郵送で、書類の原本、申請書、委任状(必要な場合のみ)、レターパックライトなどの辺信用封筒を用意して、指定の住所に郵送します。

申請が受理されれば、1週間ほどでアポスティーユ付きの書類が返送されてきます。手数料は無料です。詳しい手順や注意事項は、アポスティーユの申請の流れ(外務省)を熟読してください。

私文書の場合

公証役場が所在する地域によって、対応が異なります。

北海道(札幌法務局管区内)、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県の公証役場の場合:書類の原本と自作した宣言書(または委任状)をもって、公証役場に行き、公証人の前で署名をおこないます。その後、ワンストップサービスを利用することで、外務省にアポスティーユを依頼することなく、その場で公証人の認証、法務局の公証人押印証明及び外務省のアポスティーユのすべてを一度に取得できます。


埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、長野県及び新潟県の公証役場の場合:書類の原本と自作した宣言書(または委任状)をもって、公証役場に行き、公証人の前で署名をおこないます。その際に、公証人の認証と法務局長による公証人押印証明を一度に取得できます。これを取得したら、その後は外務省にアポスティーユを依頼します。

上記以外の府県の公証役場の場合:書類の原本と自作した宣言書(または委任状)をもって、公証役場に行き、公証人の前で署名をおこないます(公証人の認証)。その後、法務局長による公証人押印証明を取得し、外務省にアポスティーユを依頼します。


ちなみに公証役場は日本全国どこを利用しても問題ないので、できることならワンストップサービスが使える北海道(札幌法務局管区内)、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県のいずれかを利用することをオススメします。

詳しい手順に関しては、書類やその発行元、利用する公証役場の場所によっても異なるので、今回は割愛しますが、公証役場の「外国向けの私文書」に関する下記のサイトを確認されることをオススメします。不明点は必ず、手続き前に公証役場かイタリア大使館(領事館)に問い合わせてください。

外国向け私文書の認証(外国文認証)|京橋公証役場(公証人役場)【東京駅すぐ】 www.k-kosho.jp

私文書認証の委任状・宣言書サンプル | 丸の内公証役場 丸の内公証役場は皇居の南西、東京駅や日比谷駅からほど近い、閑静なオフィス街に位置する公証役場です。 www.maru-notary.com

手順を間違えると、アポスティーユを取得できないので、注意が必要です。詳しくは、アポスティーユの申請の流れ(外務省)を熟読し、疑問点があれば、お近くの公証役場に問い合わせましょう。

2. 書類をイタリア語に翻訳する

アポスティーユを取得したあと、すべての書類をイタリア語に翻訳しなければなりません。

一応、自分で翻訳アプリ等を利用して翻訳することもできますが、翻訳証明を取る際に一言一句正しく訳されていないと、受け付けてもらえない場合があります。この手順は時間をかける部分ではないので、多少費用はかかっても、イタリア語の翻訳者に依頼しましょう。

イタリア語翻訳の料金は翻訳者によって大きく変動するので、なるべく多くの翻訳者に問い合わせてみるするのがオススメです。誰に依頼していいかわからない場合は、在日イタリア大使館指定の翻訳者等に依頼するのが安心かと思います。

大使館指定の翻訳者のリスト:

Ambasciata d'Italia a Tokyo Il nuovo sito dell'Ambasciata d'Italia a Tokyo ambtokyo.esteri.it

3. 翻訳証明を取る

自分で翻訳証明を取得することもできますが、イタリア語の翻訳者に代行を依頼してしまうのがオススメです。

イタリア医学部の受験前なら尚更ですし、イタリア医学部合格後に手続きする場合も余計な手間を増やすのは得策ではありません。

翻訳を依頼する際に、翻訳証明の代行もお願いしておきましょう(こちらから尋ねなくても、翻訳証明の取得と翻訳がセットになっている場合が多い印象です)。

これで手順はすべて終了です。在日イタリア大使館の翻訳証明に関する記事をあわせてご確認ください。

Ambasciata d'Italia a Tokyo Il nuovo sito dell'Ambasciata d'Italia a Tokyo ambtokyo.esteri.it

イタリア語翻訳・アポスティーユを依頼する際の3つの注意点

イタリア語翻訳・アポスティーユを依頼する際の3つの注意点は、次のとおりです。

  1. 公文書と私文書で手続きが異なる
  2. アポスティーユを取得する前の原本のスキャンを取っておく
  3. 公印確認ではなく、アポスティーユを取得する

それぞれの注意点を詳しく解説します。

1. 公文書と私文書で手続きが異なる

前述のとおり、公文書と私文書でアポスティーユを取得する手順が異なります。

一般的に、公文書とは国や市区町村、国公立の学校などが発行した書類です。私文書とは公文書に含まれない書類であり、公的な機関以外が発行したもの、私立の学校などが発行した書類を指します。

私文書にアポスティーユ認証を行う場合は、公証役場に行くという手間が発生します。予約が必要なことも多いので、私文書をすべて揃えてから予約するのがオススメです。また、宣言書または委任状が必要なので、これも作成しておきましょう(書式は自由ですが、サンプルが下記のサイトに載っています)。

京橋公証役場(公証人役場)【東京駅すぐ】外国向け私文書の認証(外国文認証)1b www.k-kosho.jp

疑問点があれば、公証役場に電話すれば、丁寧に色々と教えてもらえます。宣言書や委任状は特定の用紙があるわけではないため,自分で作成する必要があることに注意してください。

念のため、公証役場に行く際は、宣言書または委任状の予備を持って行きましょう。

また、前述のとおり、公証役場は日本全国どこでも利用できますので、なるべくワンストップサービスが利用できる北海道(札幌法務局管区内)、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県のいずれかを利用することをオススメします。

2. アポスティーユを取得する前の原本のスキャンを取っておく

前述のとおり、外務省にアポスティーユを依頼する場合は、手元に返送されるまで1週間ほどかかります。すべての書類が揃ってから翻訳を依頼しても良いですが、翻訳者のほとんどが、アポスティーユをつける前の書類のスキャンを送ることで、先に翻訳書類を作成してもらうことが可能です。

アポスティーユは付箋のような紙なので、原本の内容が変わることはありません。アポスティーユの貼付を依頼している間に、同時並行で手続きを進めると、1週間ほど早く必要書類を入手できます。

3. 公印確認ではなく、アポスティーユを取得する

翻訳する書類はすべて、公印確認ではなく、アポスティーユを取得しましょう。アポスティーユではなく、公印確認を取得してしまうと、書類の取り直しからやり直しになってしまいます。

間違えることはないかと思いますが、「アポスティーユ」が必要ということを覚えておいてください。また、私文書で公証役場のワンストップサービスによるアポスティーユの貼付をお願いする場合は、予約する際にその旨を伝えておきましょう。

ISEEの申請時の注意点

続けて、ISEEの申請時の注意点を3つ紹介します。

  1. 寮や地域奨学金、大学の学費減額などの締切は異なる場合がある
  2. 書類の取得まで何ヶ月もかかる場合がある
  3. ISEE取得前に申請すべきかを確認する

それぞれの注意点を解説します。

1. 寮や地域奨学金、大学の学費減額などの締切は異なる場合がある

前述のとおり、ISEEは大学独自の学費減額だけでなく、地域奨学金や寮の優先枠などの特典が受けられますが、これらの締切は提出先によって異なる場合があります。

イタリア国立医学部の中には、地域奨学金や学生寮の優先枠はIMATの受験前に締め切られ、大学独自の学費減額措置は大学合格後でもOkという場合もあります。

申請期限はすべての大学で一律なわけではないうえに、必要書類が異なる場合もあるため、必ず出願を予定している(もしくは進学する)大学のHPや地域奨学金のHPなどをご自身で確認してください。

2. 書類ができるまで何ヶ月もかかる場合がある

用意しなければならない書類には、自分の分だけでなく、生計を同一にする家族の書類を用意しなければなりません。書類が揃えられてもそれで終わりではなく、イタリア語の翻訳を依頼し、翻訳証明を取得して初めて、書類が完成します。

家族の人数が多ければ、用意する書類の分量も増えますし、書類によっては入手しづらいものもあるかと思います。期限内にすべての書類を提出できるよう、昨年度の要項等を事前に確認しておき、準備に時間がかかると予想されるものは事前に用意しておきましょう。

ただし、すべての書類は申請する年に取得したものでなければなりません。
ちなみに私の場合は、手元に完全な書類がすべて手に入ったのは準備し始めてから、約1か月後でした。

3. ISEE取得前に申請すべきかを確認する

前述のとおり、ISEEの申請・取得はあくまで任意事項です。手続きをしなくても問題ありません。

ISEEは一部の大学で学費が減額され、ISPEとISEEを利用して、地域奨学金、学生寮の優先枠・減額措置、ケータリングサービス(食事の補助)などを受けられます。

これだけ聞くと、絶対に申請すべきと思うかもしれませんが、これらのサービスを利用するにはISEE(およびISPE)が要件を満たしていなければなりません。

世帯年収が高いと本人の年収がいかに低くとも、これらの奨学金等を利用できない場合があります。

また、仮にISEEとISPEの要件をともに満たしていたとしても、減額または支給される額が少ない(要件をギリギリ満たしている)と、ISEEの申請にかかった費用・手間に合わない可能性も十分に考えらます。

特にIMAT(イタリア国立医学部)を受験する場合は、受験前に必要書類を用意し、すべての手続きを期限までにおこなわなければならないため、受験勉強の時間を削られてしまいます。

ISEEの申請の準備を始める前に必ず、ISEEを申請・取得するメリットがあるのかを熟考しましょう。

ISEEの必要書類の準備はなるべく早くから始めよう

本記事では、ISEEの申請方法と必要書類の準備について解説しました。

ISEEを利用すると、世帯年収等によってはイタリア医学部の学費減額のほか、地域奨学金などを取得することもできるかもしれません。

国立医学部の場合は学費は安いですが、地域によっては生活費が高くなってしまうこともあります。ISEEを上手に活用して、留学費用を抑えるるのも得策です。

ただし、ISEEの申請時の書類は、提出大学や地域、さらには担当者によって大きく異なる場合があります。

私と同じような書類を用意したとしても、ISEEを入手できるとは限らない点に注意してください。あくまで本記事は参考程度に考え、各大学や地域奨学金のHPを熟読し、最新の情報を得てください。

疑問点や必要書類が分からなければご自身で必ず、出願した(進学予定の)大学や地域奨学金の事務所、管轄のCAF(税務支援サービス)等に連絡を取って、必要書類をなんとなく用意することのないように、ISEEを取得できるように万全の準備を整えましょう。

イタリア医学部留学に際して、取得・申請が必要な書類の手続きは下記にまとめてあります。

今回は、以上です。

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