なぜ留学エージェントのイタリア私立医学部の合格者数は異常に多いのか?【海外医学部留学】

Ciao!イタリア国立医学部生のNobuです。
近年、複数の留学エージェントが日本人を対象に斡旋し、徐々に人気になりつつあるイタリア私立医学部。輝かしいイタリア医学部の合格実績が並んでおり、イタリア医学部留学に興味を惹かれた方もいるでしょう。
とはいえ、イタリア医学部の受験を目指されている方の中には、留学エージェントが発表している合格実績をみて、「イタリア私立医学部の合格者があまりにも多すぎる…」と疑っている方も多いのではないでしょうか。
実際、そのような相談をすでに何件か受けています。
そこで本記事では、イタリア私立医学部に何十名も合格している真相と、留学エージェントのイタリア私立医学部の合格者数が突出して多いカラクリを解説します。
はじめに断っておきますが、留学エージェントを否定する内容ではありません。
それでは早速、本題に入ります。
【前提】イタリア私立医学部の合格者数は本当か?

イタリア医学部の留学エージェントが誇らしげに掲げている合格実績は、きっと事実だと思います。正確には確認できない場合があるので、少し盛っている可能性も考えられますが、合格者のリストを氏名とともに掲載している大学が多いため、考えにくいでしょう。
とはいえ、イタリア私立医学部の合格者だけで50名以上いるのは明らかに異常です。いくらイタリア医学部が人気となっているからといっても、疑ってしまいますよね。
というより、この数字に違和感を持てないのは非常にまずいです。
イタリア私立医学部の合格者数が多い理由を紐解くには、「合格者数が多い大学がユニカミラス大学であること」と「合格者の多くが繰り上げ合格」という2つの点が重要となります。
それでは、それぞれの点を深掘りします。
受験さえすれば、正規合格する大学がある(例:ユニカミラス大学)

日本ではあり得ない話ですが、大学によっては入試さえ受けてしまえば、合格してしまう大学があります。その代表例が、ユニカミラス大学(Saint Camillus International University of Health Sciences)です。
実際、2024年入試のNon-EU枠(ほとんどの日本人が受験する枠)の入試結果は次のとおりです。3回も受験できる機会があるのに、誰一人として不合格にならず、受験者全員が正規合格しています。
入試結果(Non-EU枠)
- 第1回:155名中155名が正規合格
- 第2回:52名中52名が正規合格
- 第3回:70名中70名が正規合格
【入試結果(大学HPより)】
GRADUATORIA_EXTRA_UE_MED_SETT.2024.pdf
GRADUATORIA_EXTRA_UE_MED_LUGLIO.pdf
GRADUATORIA_EXTRA_UE_April2024.pdf
新設大学であるため、まだ人気がないというのはもちろん理由の1つですが、全員が正規合格できる理由は、私立医学部の学費は高額で、ある程度裕福な留学生しか入れないこと。そして、在校生や受験生界隈での評判が芳しくないことも関係しているかもしれません。
さらに、募集定員数を見るとNon-EU枠は225名(2024年入試)、EU枠は425名(2024年入試)であり、1学年650名という募集定員の多さが際立ちます(ほとんどの医学部は多くても1学年200名)。
それもあって、滑り止めの大学として受験する人が多い傾向にあります。
まさか留学エージェントが、この大学を受験させて、合格実績を稼ぐようなことはしていないと思いますが、全員が正規合格している事実を知ったうえで、合格実績を確認されることをオススメします。
イタリア私立医学部は繰り上げ合格の数が異常な大学が多い

私の記事をいくつか読んでくださった方は既にご存知かと思いますが、イタリア私立医学部は国立医学部に比べて圧倒的に合格しやすいのが特徴です。特にNon-EU枠でその特徴が顕著に現れます。
前述したユニカミラス大学などを除いて、イタリア私立医学部に正規合格するのは難しいですが、繰り上げ合格(追加合格)であれば、各大学 100〜200名ほど追加で合格することも珍しくありません。
イタリア私立医学部が繰り上げ合格しやすい主な理由は、次の3つです。
- 私立医学部は学費が高いため、ある程度お金がないと入学できない
- 合格しても辞退する人が多い(特にNon-EU枠)
- 国立医学部の滑り止めの大学となっており、繰り上げ合格者が多数出る
それぞれの理由を解説します。
1. 私立医学部は学費が高いため、ある程度お金がないと入学できない
私立医学部は、国立医学部と比べて圧倒的に学費が高く、平均して年間約20,000ユーロ(約320万円)かかることもあります。6年間で考えれば、約120,000ユーロ(約1920万円)となります。
しかし、これは医学部の学費のみであり、実際にはここに家賃や食費などの生活費が足されます。
その結果、総額3000万円以上かかってしまうことも珍しくないですが、国立医学部の学生の多くが先進国以外から来ていることを踏まえると、私立医学部の留学費用を支払える人は少数です。
その結果、とりあえずお試しで受験する受験生は多いものの、イタリア私立医学部への入学を真剣に考えている人は少なく、繰り上げ合格しやすいと言えます。
2. 合格しても辞退する人が多い(特にNon-EU枠)
イタリア私立医学部の入試は、自宅受験することが可能な場合がほとんどです。特にNon-EU枠で受験する場合は、すべての私立医学部で自宅受験できるため、日本にいながら、複数のイタリア私立医学部に受験できます。
※ EU枠で受験する場合は、イタリア会場で受験が必要な医学部もあります。
入学検定料も日本の私立医学部入試より安く、必要書類もパスポートと高校の卒業証明書や成績証明書(英語でOK)などの場合が多く、受験のハードルが非常に低いです。
しかし、仮に合格した場合は、席を確保する(合格の権利を維持する)ために授業料の一部(約15万円~50万円)を支払う必要があり、複数の医学部に合格した、もしくはお試し受験の場合などは、この時点で授業料の一部を納付せず、合格の権利を放棄する人も多いです。
結果的に、イタリア私立医学部では合格発表後からすぐに、繰り上げ合格がおこなわれ、場合によっては100~200人ほどが追加合格になることもあります。
3. 国立医学部の滑り止めの大学となっており、繰り上げ合格者が多数出る
前述の内容と被りますが、イタリア私立医学部は第1志望の大学ではなく、滑り止めとして受験するという学生も非常に多いです。
滑り止めとして私立医学部を受験する学生のほとんどは、IMAT(イタリア国立医学部入試)を第1志望にしておりますが、Non-EU枠での受験は特に難易度が上昇しており、1年目で合格することが難しくなっています。
また、私立医学部に入学すると、翌年以降にIMATを受験する際にも有利になるため、受験する人もいます。IMATの合格率を大幅に上げる方法は、下記記事で解説しています。
国立医学部を目指している受験生の場合は、国立医学部に合格した時点で私立医学部を辞退することがほとんどであるため、併願していた受験生の枠だけ繰り上げ合格します。結果的に、繰り上げ合格でイタリア私立医学部に合格する可能性は大いに上がります。
卒業を見据えて進学しないと必ず後悔する

イタリア医学部では、国立医学部に在籍している日本人が、私立医学部に比べて圧倒的に少ないため、私立医学部に在籍している学生が、「イタリア私立医学部の方が良い」とSNS上などで発信していることから、私立医学部の方が進学しやすいと勘違いしている受験生が多くいます。
国立医学部は口頭試問が多く、私立医学部は選択肢の筆記試験が多いから進級が簡単という発信もあるようですが、選択肢の問題でも難しい問題はいくらでもありますし、逆に口頭試問でも簡単な試験もあります。
そもそも試験の難易度を比較すること自体が困難であり、ナンセンスです。教授との相性や、定期試験で出題される問題によって難易度は変わりますし、その年の試験が簡単でも、翌年以降の試験が簡単である保証は一切ありません。比較できないものを比べるのは、時間の無駄なのでやめましょう。
また、長期的に考えると、例えば日本で医師として働く場合には、大学院にでも行かない限り、その大学名を背負って、医師国家試験の受験資格の審査を受け、マッチング・就職をする必要があります。
私立医学部に行く場合も、国立医学部に行く場合も、その大学に進学することが今後のキャリアに良い影響を与えるのかどうかをよく考えて、進級されることをオススメします。間違っても、「とりあえず合格したから…」という軽い気持ちで留学すると、1年も経たずして退学するケースも多いです。
「進学先を決められない…」「どの大学に行くべきか悩んでいる…」場合は、1人で悩まずに現役のイタリア国立医学部生が在籍するmirunoteチューターご相談ください。入学してから後悔しないよう、早めにイタリア私立医学部・国立医学部に上位合格した医学生にご相談されることをオススメします。
まとめ:留学エージェントの合格実績は慎重に確認しよう

今回は、留学エージェントのイタリア私立医学部の合格実績が異常に多い理由について解説しました。
間違えてほしくないのは、私は、私立医学部に進学することを否定していません。私自身、受験生時代に3大学も受験をしており、自分の将来のことを考えたとき、非常に魅力的な選択肢になると思い、進学を考えたこともありました。
本記事でお伝えしたいことは、「留学エージェントの合格実績を鵜呑みにしないように注意してほしい」ということです。
イタリア医学部を受験する際に、mirunoteチューターがサービスを開始したイタリア医学部留学サポートプログラムや留学エージェントの利用を考えるかもしれません。
留学エージェントのHPに載っている合格実績の数字や、無料相談会などの情報を鵜呑みにせず、大学のHP、mirunoteのブログやnoteなど信頼できる情報源を利用して、必ず自分で1つ1つ調べ、あとで後悔することのないようにしてください。
例えばですが、ユニカミラス大学に30名も合格しているのに、他のA大学の合格者が5名なら、ユニカミラス大学を受験したすべての受験生が、他の大学を受験したと仮定した場合の合格率は、単純計算で16.7%です。
ユニカミラス大学を除いて、正規合格者数が少ないものの、最終的な合格率が多い場合は、ほとんどの受験生が繰り上げ合格で合格したことになります。
ちなみに、mirunoteチューター(家庭教師サービス)では、「イタリア私立医学部に2024年度合格した医学生はUCBMの医学部の1名を除いて、全員正規合格」となっています。
mirunoteチューターでサービスを開始したイタリア医学部留学サポートプログラムは、留学エージェントではないため、大学との利害関係はなく、デメリットや他大学との客観的な比較などもお伝えできます。
現役のイタリア国立医学部生が志望校選びから出願・入学手続きまで全力でサポートしますので、イタリア医学部を本気で目指している15名様のみの募集です。
募集定員に達し次第、募集を締め切らせていただきますので、ご希望の方はお早めにお申し込みください。
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今回は、以上です。


