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イタリア医学部に留学してはや数年。在住歴10年以上の日本人の方にご協力いただき、イタリア生活で必要な記事を執筆しています。プロフィールはこちら。
イタリア留学するうえでの難関の1つとなる滞在許可証の申請。特にイタリア語があまり話せない場合は、警察署での指紋採取や受け取りは至難の業となります。
また、無事に警察署での手続きを終えられるか不安で、当日の流れや持ち物を先に知っておきたい人もいるかもしれません。
そこで本記事では、滞在許可証の申請書類(KIT)を提出したあとの滞在許可証の取得までの流れと必要書類などの持ち物を解説します。
あわせて、注意点も解説するので、警察署に出向く前に本記事を一読しておくと、当日焦らずに手続きできるでしょう。
それでは早速、本題に入ります。
滞在許可証更新時の申請から受取までの流れ
Permesso di soggiorno(滞在許可証)の申請時の具体的な申請から受取までの手順は、次のとおりです。
申請前に大まかな流れを確認しておきましょう。
- KITを郵便局でもらう
- 16ユーロ分のMARCA DA BOLLOを買う
- KITの中身を確認する
- 申請用紙を記入する
- 必要書類を用意する
- 申請書・必要書類すべてのコピーを取る
- 記入済みのKITと必要書類をもって郵便局へ行く
- 料金を支払い、Questura(警察署)の招集日が記載された書類を受け取る
- 書類に記載の招集日にQuestura(警察署)へ行き、指紋採取する
- 滞在許可証の受け取り連絡を待つ(約1ヶ月〜)
- 連絡が来たら、Questura(警察署)で滞在許可証を受け取る
STEP1 ~ STEP8までのPermesso di soggiorno(滞在許可証)を初めて申請する場合と更新する場合に関してはすでに下記記事で解説しています。
本記事では、Permesso di soggiorno(滞在許可証)の肝心な部分であるQuestra(警察署)での指紋採取などのSTEP9 ~ STEP11 を解説します。
初回の滞在許可証の取得時と更新時では基本的な流れは同じですが、STEP11の滞在許可証の受け取り時に更新前の滞在許可証を返却する必要があることに注意してください。
それではSTEP9 ~ STEP11の具体的な手順を解説します。
STEP9. 控えに記載の招集日にQuestura(警察署)へ行き、指紋採取する
郵便局で滞在許可証を申請書類を入れた際に入手した書類をもって、招集日にQuestura(警察署)に行きます。
各警察署によって対応が異なるようですが、私が招集される警察署ではインターフォンを押して,予約がある旨を伝えるか、運良く警察署の門前に警察官がいる場合はその人に予約がある旨を伝えましょう。
その際に、郵便局でもらった招集日時が書かれた書類を見せる必要があります。
ちなみに招集日時は細かく決められていますが、10分ほど前ならば大抵は入れます。
遅れて行った場合はないので分かりませんが、イタリアだから多少の遅れはOKと思わずに、余裕をもって警察署に行くのがオススメです。
持参書類
- パスポートの原本
- 郵便局で受け取った受領証3点セット
- 背景が白のパスポートサイズの写真(縦45mm×横35mm)2枚
→ いつも1枚しか使いませんが、担当者により変わる場合はあるので、念のため4枚用意すると良いでしょう。背景が青だとダメな場合もあるので、なるべく白の背景を用意します。 - KITに入れた書類の原本
- KITに入れた全書類のコピー(念のため)
- 指示された不足書類のコピーと原本
→ Modulo1の75.イタリアの携帯電話番号を記入しておくと、事前にSMSやWhatsAppで不足している書類のお知らせが入る場合があります(私は警察署で言われることがほとんどです)。
また、後述する「滞在許可証の進捗状況を確認するサイト」にて追加の書類が記載されている場合があります。その場合は、招集日に追加書類のコピー(提出用)と原本を持参しましょう。
ちなみに持って行けない、もしくは警察署で不足書類を言われた場合は、後日、指定された期日までに指定のメールアドレス宛に提出するか、再度警察署に出頭すればOKです
(※ 詳しくは担当者から指示があります)。
招集日の流れ
イタリアに来て間もない頃、イタリア在住の日本人に「私は毎年、正装で警察署に行く。そのほうが印象がいいから。」と言われました。
冗談ではなかったようですが、私は今まで正装で警察署に行く人を見たことがありません。サンダルと短パンといったラフな格好の人も多いので、特に気にする必要はないでしょう。
イタリア語が話せない場合、ここが地味に問題です。当然のように全員イタリア語で会話していますが、私は1年目は全く話せなかったので、英語で押し切りました。
英語でも問題ない(不機嫌にはなると思います…)ので、予約がある旨を伝えましょう。
警察署に入ったら、指定された列に並び、順番を待ちます。並ぶ列を間違えると、いつまで経っても手続きできないので注意してください。
分からなければ誰かに聞きましょう。
順番が来たら、笑顔で挨拶をして、郵便局で受け取った受領証3点とパスポートの原本、証明写真(パスポートサイズ)1枚を渡しましょう。
私がいつも行く警察署では英語を話せる人がほとんどです。サクサク手続きが進むのはいいですね。(※ 英語が通じない場合は頑張りましょう)
ホチキス止めされた受領証のうち、招集日が記載された書類はここで回収されます。また、不足している書類がある場合は、ここで提出します。
次に電子証明できる端末でタッチペンを利用して署名するように言われます。
ここでの署名が滞在許可証の署名となるため、注意してください。漢字でのサインもOKです。ただ漢字だと、警察官に「え、まだー、早くして」といつも急かされます…
後ほど別の指の指紋も取られますが、まずは両人差し指の指紋が取られます。指示に従えば、一瞬で終わります。
私がいつも招集される警察署では、指紋採取のために別の列に並びます。
その後、別の担当者によって指紋が取られます。指示されたとおりに指紋を採取され続けましょう。2分ほどで終わります。
ちなみに、大都市などの場合は予約日と次の招集場所が記載された命令書を受け取り、全ての指紋採取のほか、身体的特徴(身長や髪・瞳の色)の登録や顔写真の撮影が必要なところもあるようです。
招集された警察署の担当者の指示に従いましょう。
大体の所要時間は30分から1時間ほどです。窓口の混み具合にもよりますが、順番が来てしまえば、一瞬で終わってしまうことが多いです。
会話もほとんどないので、イタリア語ができなくてもそこまで大きな問題はありません。
予約時間になったら呼び出しされる場合もあるようですが、私が招集される警察署では先に列に並んだ人が優先です。
呼び出しなどはないので、招集時間が私より遅い人でも私の前に並んでいれば、先に手続きできます。
そのため、早めに到着しておくのがオススメです。
STEP9. 滞在許可証の受け取り連絡を待つ
地域や時期にもよりますが、約1ヶ月後~2ヶ月後に出来上がります。
受け取り連絡は、Modulo 1の75.に記載した電話番号宛にSMSで届きます。正式な書類はありませんが、このSMSが招集日を証明するものとなるので、スクリーンショットなどを撮っておくことをオススメします。
受け取り日時が記載されたSMSは、Questuraからではなく、Poste Italiane(PosteInfo)を通じて送信されます。
受け取り日時と場所(指紋を採取したQustura)が記載されていますが、受信後すぐの招集ではなく、大体1週間~3週間後くらいの日付になっていることが多いです。
ちなみに招集日や滞在許可証の手続きの進捗状況などは、Portale Immigrazione(https://www.portaleimmigrazione.it/)**の個別ページ(赤枠)**にて確認できます。
Portale Immigrazioneの右下、赤枠で囲った部分の「Area Riservata Stranieri」をクリックし、郵便局で受け取った控えに記載のUSER ID(Nome Utente)とPASSWORDを入力しましょう。
USER IDとPASSWORDは申請時に郵便局から受け取った受領証に記載されています。PASSWORDはハイフンなしの11桁の番号でCODICE ASSICURATAと同じです。
ログイン画面を開くと、次のような画面が表示されます。
万一、1ヶ月〜2ヶ月ほど経ったものの音沙汰が全くない場合は、定期的に**Portale Immigrazioneの個別ページの**確認されることをオススメします。追加書類などの提出が必要で、手続きが一時的にストップしている場合があります。
STEP10. 連絡が来たら、Questura(警察署)で滞在許可証を受け取る
指定された招集日・招集日になったら、郵便局で受け立った書類2点とパスポートの原本、SMSメッセージを保存したスマートフォン等をもって、警察署に向かいます。
指紋採取日と同じく、予約がある旨を伝え、警察署の中で指定された列に並びましょう。
順番になったら、郵便局で受け立った書類2点とパスポートの原本を渡します。
持参書類
- パスポートの原本
- 郵便局で受け取った受領証の残り2点セット
- 滞在許可証の受取連絡のSMSが保存されたスマートフォンなど
滞在許可証の受取日の流れ
受け取り連絡時のSMSに記載の日時と場所を確認し、警察署へ行きましょう。
指紋採取の招集日と同じく、インターフォンもしくは門の前にいる警察官に滞在許可証を受け取りに来たことを伝え、警察署の中に入りましょう。
このとき、受取日時が記載されたSMSを見せなければならない場合があります。SMSかスクリーンショットを保存して、警察署へ行きましょう。
警察署に入ったら、指定された列に並び、順番を待ちます。並ぶ列を間違えると、いつまで経っても手続きできないので注意してください。分からなければ誰かに聞くのも得策です。
郵便局で受け取った受領証の残り2点セットとパスポートの原本を渡し、人差し指の指紋照合を行いえば、無事に滞在許可証を受け取れます。
滞在許可証を受け取る際は、その場で名前のスペル、生年月日、署名、国籍などの個人情報がすべて正しいか確認してください。
滞在許可証を入手できれば、イタリア国外を自由に旅行できます。また、大学の学生課に滞在許可証を取得した旨を伝え、コピー等を送りましょう。
翌年以降の更新は滞在許可証に記載の有効期限の60日前から更新手続きができます。
申請から取得までにかかった日数と一時帰国について
私は例年、何事もなければ取得まで3〜5ヶ月ほど、招集日に行けなかった場合は、約8ヶ月ほどかかりました。
私の住んでいる街はそこまで大きな都市ではないので、半年も経たずして滞在許可証を手に入れられますが、大都市などは1年経っても入手できないと聞いたことがあります。
滞在許可証を申請している最中でも年末年始や夏休みなど、日本に一時帰国したい場合もあるでしょう。
基本的には、滞在許可証を受け取るまで国外旅行はできませんが、例外的に母国への直行便(もしくはシェンゲン加盟国外の経由便)を使った往復は私の経験上はできます。
滞在許可証の申請中に一時帰国する際の注意点は、下記記事でまとめました。あわせてご確認ください。
留学を終え日本に帰国するときの滞在許可証の扱い
留学期間が終わり、日本に完全に帰国する場合は、滞在許可証を居住地の警察署や出国時の空港などで返却しなければなりません。
仮に返却しないと、イタリアを含めたシェンゲン圏内への入国時に問題が発生する場合があるため、必ず返却しましょう。
空港ではなく、地元の警察署等に返却する場合は、返却後にイタリアにいる間不法滞在になる場合がありますので、出国までの間の滞在許可証の代わりとなる証明書(滞在許可証を返却した旨が書かれたもの)をもらうようにしましょう。
ちなみに返却し忘れてしまった場合は、在日本イタリア大使館を通じて返却もできるようです。詳しくは、在日イタリア大使館にご相談ください。
まとめ:滞在許可証を取得するまでの道のりは長い
今回は、滞在許可証を取得するまでの後半の流れを解説しました。
滞在許可証を取得するまでの道のりは非常に長く、書類に不備があったり、招集日に警察署へ行けない場合はさらに時間がかかってしまいます。
予め不備はないように書類を用意し、指定された招集日にはなるべく出頭できるように準備しておくことをオススメします。
滞在許可証の申請の前半の流れ(KITの取得方法や申請書類の書き方、注意点)は下記記事で解説しています。
また、滞在許可証を初めて申請する場合も更新する場合も、必ず毎年、指紋採取しなければなりませんが、場合によっては招集日に行けない場合もあるかもしれません。
私も招集日に一時帰国していて、行けなかったことがありました。
招集日に出頭できない場合の手続きと注意点は下記記事で解説しています。
今回は、以上です。