イタリアでオススメのSIMと契約方法は？各携帯会社を比較する【留学生・長期滞在者向け】

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イタリアでのSIMカードの契約は，入国後に優先的にすべき最重要事項の1つです。滞在許可証の申請や大学、家などを契約する際の連絡先として必要となります。

日本でイタリアやヨーロッパで使えるSIMカード等を契約してくる場合もあるかもしれませんが、長期的な目で見れば、イタリアでSIMカードを契約するほうが安上がりです。携帯会社やプランによっては、月1300円ほどで5G対応のデータ通信150GBとイタリアでの通話・SMS無制限で利用できるものもあります。

本記事では、イタリアでTIM、Iliad、WindTreの大手3社と契約したことのあるイタリア医学部生の私がオススメのSIMカードとイタリアの携帯会社を比較しました。各携帯会社の回線の品質の比較や、携帯ショップでの契約方法など、SIMカードを契約する前に知っておきたいことを解説するので、最後まで読めば、携帯会社に迷わず、SIMカードを契約できますよ。

ちなみに短期滞在にオススメのSIMカードは下記記事で解説しています。「イタリアに短期留学する」「イタリアの旅行に利用したい」という方はぜひご覧ください。

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【前提】イタリアの携帯電話番号は必要か？

結論から申し上げるとイタリアでの携帯番号は必要です。なるべく早く契約するようにしましょう。

携帯電話が必要な理由は、滞在許可証の招集日や受取日時のSMSを受信するためという理由が最も大きいですが、銀行口座の開設やイタリアでさまざまな契約をする上で必要です。

滞在許可証はイタリア入国後8日以内の提出が求められているため、SIMカードをそのときまでに契約しましょう。滞在許可証の申請方法や受け取り前での流れは下記記事で解説しています。

医学部に進学する場合は最低でも6年間はイタリアに滞在することになりますので、携帯を切り替える面倒な手間を省くため、厳選してから契約するようにしましょう。

メジャーなイタリアの携帯会社一覧

イタリアの携帯会社は何社もありますが、場所によって通信速度が大きく変わります。携帯会社によっては街中でも電波が弱い場合もありますが、基本的には大手の携帯会社のいずれかを契約しておけば、失敗することはないでしょう。

イタリアの通信事業者の大手4社

格安SIM事業者

それぞれも携帯会社について紹介します。

イタリアの通信事業者の大手4社

格安SIM事業者

イタリアの各携帯会社の回線の品質を比較

2023年の Opensignal社の調査によると、イタリアの携帯会社の品質は、下記のようになります。

	全体の評価					5Gの評価					通信エリア			安定性
	動画視聴	ライブ視聴	ゲーム	ダウンロード	アップロード	動画視聴	ライブ視聴	ゲーム	ダウンロード	アップロード	5Gエリア	利用可能エリア	5G利用可能エリア	安定性
Fastweb	4位 64.2点	4位57.8点	5位 64.6	2位33.8Mbps	3位8.9Mbps	3位74.1点	3位67.9点	5位71.5点	3位139.7Mbps	3位16.8Mbps	共同1位 5.11点	4位95.8点	3位21.2%	2位69.1%
Iliad	2位 64.8 点	2位58.7点	3位69.1点	5位26.9Mbps	5位7.3Mbps	2位74.3点	1位69.7点	1位77.1点	5位71.2Mbps	5位11.9Mbps	3位2.87点	1位98.6%	2位21.5%	4位68.4%
TIM	3位 64.6点	3位58.3点	2位69.4点	3位32.0Mbps	4位8.8Mbps	1位75.2点	2位69.0点	4位74.2点	1位239.3Mbps	1位22.8Mbps	4位1.13点	5位94.5%	5位5.5%	5位58.3%
Vodafone	1位 66.5点	1位 59.9点	1位71.3点	1位37.9Mbps	1位10.4Mbps	5位71.1点	5位65.7点	2位74.9点	2位202.2Mbps	2位21.6Mbps	2位2.99点	3位96.6%	4位12.4%	1位75.8%
WindTre	5位 63.4点	5位 57.1点	4位66.4点	4位29.2Mbps	2位9.4Mbps	4位73.3点	4位67.4点	3位74.4点	4位101.9Mbps	4位16.5Mbps	共同1位 5.11点	2位98.4%	1位24.8%	3位68.5%

まとめると、イタリアのすべての地域で最も一貫性のある回線を提供しているのは Vodafoneです。

しかし5GとなるとVodafoneは、普及や速度に遅れをとっています。

居住地やアパートなどによって回線の品質の良さや相性は変わります。あくまで参考までに。

オススメの契約プラン

前述のとおり、データ専用SIMではなく、通話とデータがどちらも使えるプランをオススメします。

イタリアのSIMは、ほとんどが通話・SMSが無制限となっているプランとなっています。SIMのデータ通信量も多いものが多く、50GB/月 or 100GB/月 などの大容量プランがメジャーです。

料金は日本と比べてもコスパの良いプランが多いので、どれくらい通信量を使うかにより、最適なプランが変わります。家を借りている場合、インターネットの契約をすでにしている場合もあるかもしれませんが、SIMを100GBなどの大容量プランを契約して、パソコンやiPadなどはデザリングで使い、インターネットは契約しないというのも良いでしょう。

契約できるSIMのプランには、プリペイド型と毎月の引き落とし型がありますが、オススメはプリペイド型です。プリペイド型の方が解約が簡単な場合が多い（プリペイド型の場合は料金を支払わなければ、一定期間経過後に自動的に解約となる）ので、推奨できます。

イタリア30歳未満向けのプランやインターネット回線と同時契約するとお得になるプランなどもありますが、たいてい安いプランは対象者の条件が厳しかったり、SMSやイタリア以外で利用できるインターネット回線のギガ数に制限などがある場合もあります。契約前に必ず確認しましょう。

ちなみに私はTIMの120GB（月額12.99ユーロ）のプランを契約しており、日本までは月777分の通話の無料特典があるらしいです（利用してないので、本当に無料かは分かりません…）。私はこの回線を契約して、大学でも家でもパソコンやiPadをテザリングしており、毎月50GBほど使うため、120GBにしています。

どこでSIMを契約できるのか？

各携帯会社の店舗、もしくはインターネット上で契約することになります。すでにSIMフリー端末（SIMロックがかかっていない端末）をもっている場合は、端末本体を購入する必要はありません。iPhoneなどは日本ではシャッター音が鳴りますが、イタリアでは鳴らないので、安心してください。

基本的に店舗では物理SIM、インターネットではeSIMまたは物理SIMということが多いでしょう。iPhoneなどの場合は1枚しか物理SIMが入らないため、eSIMを契約する事で一つの端末で日本とイタリア両方の回線を利用することができます。

どのプランにするか悩んでいる・決められない場合は、各携帯会社の店舗で直接、店員さんと話しながら、契約プランなどを決めるのがオススメです。携帯ショップで契約すると10分も経たないうちにSIMが手に入ります。

ただ、店舗によって扱っているプランが異なる場合もあるので、注意してください。

店舗で契約する場合の流れと必要書類

携帯ショップで契約する場合は、予約なしでOKです。必要書類をもって、後述する携帯会社の中から好きなところを選んで、実店舗に向かいましょう。

必要書類

パスポートなど（※ 店舗によっては Codice Fiscale (税番号) が必要なところもあり）

店員さんにイタリア語で “Vorrei acquistare una carta SIM prepagata.”と言えば、

携帯ショップの店員は英語を話せる場合も多いので、英語でも通じます。大事な契約の話なので、イタリア語でなんとなく会話するくらいなら、英語などで確実に意思疎通できる言語で契約するのがオススメです。

インターネット上で契約する場合の流れと必要書類

インターネットで契約し、eSIMを希望する場合は最短で即日、入手できます。実店舗に行かずとも、家にいながら契約できる、さらに携帯会社によっては実店舗より安く契約できることもあります。

必要書類・必要なもの

パスポート、Codice Fiscale (税番号) 、イタリアの住所など

契約する携帯会社によって、手順は異なります。

携帯会社や選んだSIMのタイプにより、手順が異なる場合があります。イタリアで長期滞在する留学生にオススメのIliad のインターネットでの契約方法は、別記事で詳しく解説します。

2ヶ月目以降の携帯料金の支払い方法

前述のとおり、1ヶ月目はSIMカードのアクティベーション時（購入時）に支払っていますが、2ヶ月目以降は、アプリや店頭などでチャージして、月額料金と追加で利用したサービス料金が引かれます（携帯会社によっては、毎月カードから自動で基本料金が引き落とされます）。

クレジットカードなどのオートチャージもできますが、設定する必要で特にチャージしないままでいると、1ヶ月後に携帯が使えなくなります。そうならないためにも、オートチャージを設定しておくか、携帯会社のアプリ、各店舗、スーパーマーケット、タバッキなどで事前いチャージしておきましょう。

チャージする額は基本的にいくらでもOK。1ヶ月分でもいいですし、3ヶ月分でも問題ありません。ただし、チャージしてしまうと基本的には返金できないので、注意してください。

ちなみに私の場合、TIMでは支払いにクレジットカードのほか、PayPal が使える（オートチャージはできない）ので、その都度2ヶ月分を払っています。

携帯料金を払い忘れてしまった時の対処法

不足している額と同額か、それ以上の費用をチャージすることで、すぐに復活します。いつも通り、携帯会社のアプリから支払えますので、わざわざ店舗に出向く必要はありません。

自動引き落としにしていない（自動引き落としできない）場合は、意外と忘れがちです。自動引き落としにしていない場合、チャージ額が足りずに引き落とせなかった（チャージ額が携帯料金より低い）場合は、携帯の回線が利用できなくなります。

実際、私はこれまで4〜5回ほど払い忘れて、携帯の回線を止められたことがあります。本当に突然、インターネットが使えなくなるので、すぐに気付きます。不足分を支払うと、2〜3分ほどですぐに復活しますので、そこまで困ることはないですが、念のため常に余裕をもってチャージしておくか、自動引き落しの設定をされることをオススメします。

日本のクレジットカードはセキリュティ対策が優秀で、自動引き落としできないことがあります。自動引き落としを希望する場合は、銀行のデビットカードかプリペイド型のカードを利用すると良いです。

イタリアで契約しているプランや携帯会社を変える方法

「今のプランに不満があり、プランを変えたい」「そもそも回線の品質が気に入らないので、携帯会社を変えたい」場合もあるかもしれません。

イタリアでは契約期間の縛りは基本的にはないので、いつでも変更OKです（※ 念のため、契約時に確認しておくことをオススメします）。

契約プランを変える場合は、携帯ショップもしくはインターネット（アプリ）上で手続きできます。プランの変更方法がわからない場合は、携帯ショップで店員に相談するのがオススメです。

携帯番号をすでに所有していて、それを引き継いだまま携帯会社を変えたい場合は、「portabilità del numero（ポルタビリタ・デル・ヌーメロ）」を希望している旨を伝えましょう。インターネット上で契約する場合も「携帯電話番号を維持する」を選択してください。

原則として2営業日以内に乗り換え手続きが完了します。乗り換え手続きの費用は、SIMの開通（アクティベーション）費と初月の携帯料金、プランの解約費（※ 現在の契約プランに縛りがある場合のみ）です。必要書類は新規契約のときとは異なり、SIM SWAPを防止（携帯番号の盗難防止）のため、パスポート、Codice Fiscale (税番号) 、現在使用しているSIMなどが必要となります。

ここまでは日本で携帯会社を変える場合と大差ないのですが、私が驚いたのは、すでに各携帯会社にチャージ済みの費用を少額（～2ユーロ前後）支払えば、新しい携帯会社にそのまま移行できるというものでした。「先月携帯料金をチャージしたばかりだから、今月は携帯会社を変更できない…」というようなことが起きません。携帯会社を変えたいと思い立ったときにすぐに変えられるのは、良いですね。

まとめ

本記事では、イタリアでオススメのSIMカードとイタリアの各携帯会社について紹介しました。

色々な携帯会社がありますが、個人的には色々と携帯会社を使った中でのオススメは、TIMとIliadです。前述のとおり、TIMはイタリアの携帯会社の中で最も大きく、回線の品質も安定しています。一方で、Iliadは格安でありながらも自社回線を使っているからか5Gなどの速度も速く、まさにコスパ最強となっています。

携帯電話はイタリア入国後から必要不可欠なため、なるべく早く契約する必要がありますが、イタリア語があまり話せない場合は契約が難しいかもしれません。イタリア語が話せない場合の契約方法は、英語が通じる店員がいる携帯ショップを探すか、インターネットでIliadのeSIMを契約するかの2択でしょう。

IliadのeSIMの契約方法は、下記記事で解説しています。

リンク

無事にイタリアでSIMを契約して、滞在許可証の申請準備を始めましょう

今回は、以上です。